多肉植物の土

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むらさき園の土(エケベリア用)

むらさき園の風間です
多肉植物に使う土はどうしたらよいのかとよく聞かれます

育つべき時期に育たないのは実は土ではなく水や遮光の問題がほとんどなのではないか?と
私個人的には思うのですが、参考までにむらさき園の土はどうやって作っているのか
それぞれの土の種類や効果についてお話しながらご紹介していきましょう

土の配合はむらさき園の場合ということでお伝えしているのと、毎年もっとここに合った土を求めて改良しているのであくまで参考にということでよろしくお願いします
ここで紹介されていない土や副資材などもありますので土の特徴をよく理解して自分だけの土をブレンドするのも多肉植物の楽しみの一つではないでしょうか。

鹿沼土(硬質鹿沼)

栃木県の鹿沼産の土、水はけが良く無菌なので植物の挿し木をする際にもよく使われます。
多肉植物を育てるのにこの土だけで育てることはお勧めしませんが、この土だけで枯れるということはありません。
肥料分がほぼないことと酸性の土なので、多肉植物が健康的に育つためには肥料分を含んだ他の土と混ぜてあげる必要があります。
硬質とそうでないものが販売されており手でつぶしてみると明らかに硬度が違いますが、粉になった部分を取り除いて使用すればそこまで硬質にこだわる必要もないと思います

赤玉土(硬質赤玉)

赤玉土は色々な植物を育てる際の基本用土と言われています。
多肉植物の土に配合する意味は水はけと水持ちを確保するためです。
水持ちと水はけと聞くと分かりづらいかもしれませんが、水を良く吸い土中に酸素を取り込むための団粒構造になっているので乾きも良いです。
使っていると潰れていわゆる赤土になっていまいます。
そのためできるだけ長い期間植え替えしなくて済むようにむらさき園では硬質赤玉土を使用しています。

バーク堆肥

木の皮を原料とした堆肥です
土をフカフカな状態にしてくれる微生物が住みやすい土壌にするためにバーク堆肥を配合しています。
肥料分が殆どないため使いやすく、白カビが発生しますが、それはバーク堆肥が分解されている証拠で、この放線菌などが植物の育成を妨げることはありません。
手でほぐして使用しています。

木くずなども混入していますので大きなものは手で取り除いて使っています。
ピートモスのように乾燥すると水を含みにくくなりますが大量に入れ過ぎなければ問題ありません。

よくバーク堆肥を入れすぎると窒素飢餓が起こると言われていますが、多肉植物はそこまで肥料を大量に必要とする植物ではありませんし、混合する際に元肥としてマグアンプを入れておけば問題はないと思います。

スーパー培土(稲用培土)

稲を種から育てる用に作られた培土です
一見赤玉のように見えますが焼き固められた赤玉とは違い手で軽く握ると潰れます
加熱殺菌済でゼオライトを含むため清潔な土として使いやすいと感じています。

リン酸が多めな肥料分を少し含むのでマグアンプを少なめにして育成初期はこの肥料分で補おうという考えです。
潰れたあとはただの赤土になりますが、保水性を確保するためと、安価なためカサ増しの目的も含めて配合しています。
通気性を確保するために他の土を配合することで使用できると考えています。

日向土(細粒)

日向土は九州地方で算出される軽石のような固い土で別名ボラ土とも呼ばれます。
軽石と違うのは保肥力がある点で、市販で汎用的に入手できる軽石では粒が大きすぎるため日向土の細粒を使用しています。

くん炭

くん炭はもみ殻を炭に加工した副資材です
鹿沼土は酸性度が強く、その他の土もほぼ弱酸性です。
多肉植物の原生地ではアルカリ性の火山岩の土地が多く、その土にペーハー(ph)を近づけるためにくん炭を配合しています。
くん炭は保水性も良いですが排水性も良く、またアブラムシなどの虫よけにもなるということです

フミン酸

本来黒土に多く含まれているフミン酸。
微生物が分解して出来上がる最終的な土の形態がフミン酸です。
土の団粒醸造を形成してくれる微生物や有用菌お活動を活発化させてくれて、抗ウイルス作用があると言われています。
黒土をたくさん入れる代わりに、ごく少量のフミン酸資材で黒土の何十倍ものフミン酸を含むので便利に使用しています。
土の土壌改良などにもよく使われている資材です。

ケイ酸資材

排水性、通気性を確保するとともに、長期にわたりカルシウム分を補給できる資材として使用しています。
茎葉を丈夫にし、高温、低温、病気、害虫などへの耐性を向上させる効果があるということです。

微生物資材

土の中では植物に悪さをする菌と良い影響を与えてくれる菌が拮抗して住んでいると言われています。
そのバランスが崩れて悪い菌が急激に増えた時に病気になりやすいと言われており、微生物資材を先に投入しておくことによりあとから入ってきた悪い菌が繁殖しづらい環境を作ってくれるようです。
むらさき園では殺菌剤は何か起こった個体や、広がったらまずい菌の発生を確認した時以外は常用的には殺菌剤を使用していません。
殺菌剤散布の手間を考えるととても高い効果を感じています。
この菌たちが生きている多肉植物の葉を侵食することはありません。

マグアンプ

マグアンプは水溶性の成分と根や土中の微生物などに反応して溶け出す成分からできており、約1年間の効き目があります。
マグアンプを配合した土でも根張りがしっかりとしており、適度に紫外線を浴び、水が切れており、3月位の寒暖の差をしっかりと感じていれば多肉植物は健康的な紅葉をしますが
どうしても紅葉を徹底的に極めたいということであれば、マグアンプ抜きの土に植え替えて3か月もすれば肥料はほぼ抜けてくると思います。
肥料は元肥として入れなくても生育段階や目的によって液肥などでさっとあげてもいいと思います。

オルトラン(殺虫剤)

言わずと知れたオルトランは殺虫剤です。
多肉植物を育てる上で必ず出くわす虫はアブラムシ、アザミウマ、カイガラムシなどでしょう。
メーカーは効果を1か月としていますが、実際には半年くらいは効いている気がしています。
おそらく浸透移行性という植物の中に浸透して効果を発揮するという効き方が良いのではないかと思っています。
ハダニに関しては残念ながら適用がないようなので、発生してしまったら別の殺ダニ剤を使用して防除する必要があると思います。

むらさき園の土まとめ

以上2024年7月時点でむらさき園で使っているエケベリアの土です
毎年改良しているのでこの先も変わっていきます
皆さんもご自分の環境や仕立てなどの目的によって最適な土を作りながら探してみてはいかがでしょうか
土を改良して問題が解決した時の喜びは嬉しいですし、けっこう楽しいですよ

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