交配・実生「種まき」 多肉植物の考察

【エケベリアの花芽特集】原種・交配種の魅力と育成ポイント

エケベリアは、美しいロゼット状の葉だけでなく、花芽(花茎)を伸ばして咲かせる花も魅力的です。本記事では、原種・交配種ごとの花芽の特徴や育成ポイントを紹介します。実生(種から育てた)株もやはり流通しているものと同じなのかどうか注目しながら見ていきましょう、人気種の「コロラータ」「デレンベルギー」「リラシナ」などの花芽を写真付きで解説します。


1. 原種エケベリアの花芽特集

1-1. 原種リラシナ ライオネスの花芽

原種リラシナの花芽は、灰紫がかった葉色と同様に上品で淡い色合いが特徴です。ライオネスは、より締まった葉姿を持ち、美しい花芽を伸ばします。

1-2. 流通していた原種デレンベルギーの花芽

デレンベルギーは、有名な交配種「ローラ」の片親として知られています。白みがかった葉が特徴的で、花芽は短く大きな房を持っているようです。

1-3. 実生原種デレンベルギーの花芽

実生から育てたデレンベルギーも同じように、花芽は短く大きな房を持った花芽を形成します。

1-4. 実生原種シムランス ライオネスの花芽

シムランス系統のライオネスは、比較的コンパクトなロゼットを形成し、花芽は細めでしなやかに伸びます。

1-5. 実生原種シムランス ラグナサンチェスの花芽

ラグナサンチェスは、シムランス系の中でも今貴重な原種。花芽は鮮やかなピンク系の色味が特徴です。

1-6. 実生原種トリマネンシスの花芽

トリマネンシスは、鋭く厚みのある葉が魅力。花芽も柔らかなピンク~オレンジのグラデーションが見られます。


2. コロラータ系エケベリアの花芽特集

2-1. コロラータの花芽

エケベリアの中でも人気の高いコロラータ。花芽は長く伸び、淡いピンクやオレンジ色の花を咲かせます。

2-2. 実生原種コロラータ タパルパの花芽

タパルパは、花芽の色味が薄く出やすい傾向があります。

2-3. 実生原種コロラータ アテマハックの花芽

ちょっと寒さで黒っぽくなってしまっていますが、内側からまた新たな花芽が出てきています

アテマハック産のコロラータは、葉の発色が美しく、大きくなれば花茎も太くなりしっかりした印象を持ちます。

ただ昨今花芽が上がってくる時期が早く、2月の霜にやられてしまう事があります。もう少しゆっくり出てきてくれてもいいのですが...

2-4. 原種コロラータ メキシカンジャイアントの花芽

「メキシカンジャイアント」は、コロラータ系の中でも特に大型。その割に花茎は細く頼りない感じですが、開花時の喜びはひとしおです

花芽が出てきたかと思えばこのように実は子株だったりする場合もあります


3. その他の原種エケベリアの花芽

3-1. 実生原種クスピダータ サンロベルトの花芽

クスピダータ系統のサンロベルトは、コンパクトながら力強く花芽を伸ばします。

3-2. アガヴォイデス エボニーの花芽

黒みがかった葉が特徴的な「エボニー」。花芽はスリムで、開花すると対照的な華やかさを見せます。


4. 交配種エケベリアの花芽特集

4-1. チワワエンシス×ヒアリナ サンルイス デ ラパスの花芽

この交配種は、チワワエンシスのむっちり感と鋭い爪、ヒアリナの持つ葉数の多さが特徴的な株。花芽はスリムで繊細なシムランス寄りの印象です。

4-2. エレガンス×シムランス ラグナサンチェスの花芽

エレガンス系の透き通るような白さとシムランスのシャープな薄葉が融合した交配種。花芽は比較的細めで優雅に伸びます。

写真のように花蕾のうちは先端は緑色ですが、開花する頃になると黄色く変化します

4-3. 交配種ラウリンゼの花芽

ラウリンゼは、「ラウイ × リンゼアナ」の交配種。ラウイの白粉とリンゼアナの肉厚な葉が特徴で、花芽も丸みのある優しい印象を持ちます。

これも凍害に合ってしまいました。ちょっと黒っぽくなってしまいましたね。こうなってしまうと結実は難しいです


5. エケベリアの花芽を楽しむポイント

エケベリアの花芽を上手に楽しむためには、以下のポイントを押さえておくことが重要です。

5-1. 花芽を伸ばすための環境

  • 日照:しっかりと日光を当てる(1日4時間以上が理想)。
  • 風通し:蒸れを防ぎ、健康的な成長を促す。
  • 水やり:花芽が出始めたら、やや控えめに管理すると形が崩れにくい。

5-2. 花芽の剪定と管理

  • 花を咲かせると株の体力を消耗するため、早めにカットして株を守るか、観賞や交配用にそのまま育てるかを選択
  • 花芽が伸びすぎると倒れやすいため、支柱を立てると安定する。

5-3. 交配や実生の楽しみ方

  • エケベリアの花は交配が可能!異なる品種の花粉をつけることで、新たな実生苗を楽しめます。
  • 特に「実生から育てた株」は、親株とは異なる個性を持つ可能性があり、花芽の色や形も多様に楽しめます

まとめ

エケベリアの花芽は、品種ごとに個性があり、交配や実生株ならではの楽しみ方もあります。原種の魅力を感じるもよし、交配種のユニークな花芽を観察するもよし。適切な管理をしながら、エケベリアの花芽を存分に楽しんでみてください。

あなたのお気に入りのエケベリアの花芽はどのように咲いて楽しませてくれるでしょうか

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