はじめに
多肉植物は、その愛らしいフォルムや育てやすさから人気の高い植物ですが、意外と枯れてしまうことが多いです。「多肉植物は丈夫」と思っていると、気づいたら葉がしぼんだり、根が腐ったりしてしまうことがあります。本記事では、多肉植物が枯れる主な原因を詳しく解説し、対策を紹介します。
1. 多肉植物が枯れる主な原因
1-1. 水のあげすぎ（根腐れ）
症状:
- 葉がぶよぶよして透明になる
- 茎や根が黒く変色する
- 根がドロドロに溶ける
原因:
多肉植物は乾燥地帯に生息するため、水を貯めこむ性質があります。そのため、過剰な水やりは根が腐る原因になります。特に、日本の湿気が多い環境では、土がなかなか乾かず、根腐れが発生しやすいです。
対策:
- 水やりは土が完全に乾いてから行う（季節ごとの頻度調整が重要）
- 水はけの良い土を使う（赤玉土・鹿沼土・軽石・ピートモスなどを混ぜる）
- 鉢に排水用の穴を開け、通気性を確保する
1-2. 水不足
症状:
- 葉がシワシワになり、ハリがなくなる
- 生長が遅くなる
- 葉が落ちる
原因:
乾燥に強いとはいえ、極端に水を与えないと枯れてしまいます。特に生育期（春・秋）には適切な水分が必要です。
対策:
- 乾燥しすぎていないかチェックし、適宜水やりをする
- 水やりは「土に直接」与え、葉にはかけない（葉水は不要）
- 夏と冬は成長が緩やかになるため、水を控えめにする
※多肉植物は葉に水をためる性質があり、葉水をすると余分な湿気が残り、カビや病気の原因になります。そのため、基本的に葉水は不要です。特に寒い季節は、葉に残った水分が低温で傷みやすくなるため避けましょう。
1-3. 直射日光による日焼け
症状:
- 葉が茶色や赤黒く変色する
- 葉の表面に焦げたような斑点ができる
原因:
多肉植物は日光を好みますが、急に強い直射日光を浴びると日焼けします。特に、長い間室内に置いていた株を急に屋外の日差しに当てるとダメージを受けやすいです。
対策:
- 徐々に日光に慣らす（春先や植え替え後は特に注意）
- 直射日光が強い夏は遮光ネットを使う（30～50%の遮光が目安）
- 朝日や夕日が当たる場所に置く
1-4. 寒さによるダメージ
症状:
- 葉が黒く変色し、溶けたようになる
- 冬の朝に葉が凍る
原因:
多肉植物の種類によっては寒さに弱いものがあり、特に5℃以下になるとダメージを受けます。夜間に凍ってしまうと、細胞が壊れ、枯れる原因になります。
対策:
- 気温が5℃を下回る場合は室内に取り込む
- 窓際の冷え込みに注意し、夜は室内の中央に移動させる
- 保温材（不織布や発泡スチロール）を活用
1-5. 病害虫の発生
症状:
- 葉に白い粉やカビのようなものがつく（うどんこ病）
- 葉の裏に小さな白い虫がいる（カイガラムシ）
- 茎が黒く変色して腐る（菌の感染）
原因:
風通しが悪いと病気や害虫が発生しやすくなります。特に梅雨時や湿気の多い環境では要注意です。
対策:
- 風通しの良い環境を整える
- 梅雨時は雨が直接当たらない場所に移動
- 定期的に葉を観察し、害虫がいれば駆除（ブラシや殺虫剤を使用）
2. 季節ごとの多肉植物の育て方
2-1. 春（3月～5月）
- 生育期なので、水やりは1～2週間に1回
- しっかり日光に当てる（急な直射日光には注意）
- 植え替えの適期
2-2. 夏（6月～8月）
- 高温多湿のため、水やりは控えめ（月1回程度）
- 直射日光が強すぎるので半日陰へ移動
- 風通しを良くする（サーキュレーターを活用）
2-3. 秋（9月～11月）
- 春と同様に生育期なので、水やりを再開（1～2週間に1回）
- 植え替えや株分けができる時期
- 寒さ対策の準備（夜間の冷え込みに注意）
2-4. 冬（12月～2月）
- 休眠期のため、水やりは月1回以下
- 5℃以下にならないよう室内へ移動
- できるだけ明るい場所に置く
3. 枯れそうな多肉植物を復活させる方法
3-1. 根腐れを起こした場合
- 腐った部分を清潔なハサミで切り取る
- 乾燥させてから新しい土に植え替える
3-2. 水不足で枯れた場合
- 直接水を与える（徐々に水分を回復させる）
- 乾燥しすぎた根がダメになっている場合は、挿し木で復活させる
3-3. 日焼けした場合
- すぐに半日陰に移動させる
- ダメージを受けた葉は自然に落ちるのを待つ
4. まとめ
多肉植物が枯れる原因は、水のあげすぎ、日光の当てすぎ、寒さ、害虫などさまざまです。大切なのは、「乾燥を好むが、完全に水を断つのもよくない」「急な環境変化に弱い」という性質を理解し、適切な管理をすることです。
葉水は基本的に不要であり、葉の清潔を保つ場合はシャワーで上から水やりをしてしっかり水を飛ばす方法が有効です。これらのポイントを押さえ、多肉植物を健康に育てましょう！
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