交配・実生「種まき」

多肉植物の顔違いとは?

今日から一日1投稿! いや さすがにそれを宣言するのはちょっと怖い・・
でもそんな気持ちで始めないといつまで経っても始まらないのですよね

今日はエケベリアの交配をして種を採種して実生をしていると必ず出てくるワード
「実生」について

また実生とクローンの違いについても少しだけお伝えしていきますね

そして近年趣味としてエケベリアの交配される方がたくさん増えたので
むらさき園でお客様から多く質問があったこと 命名に関しても少しだけ触れていきたいと思います

実生って何?

趣味として多肉植物エケベリアの交配をして実生をする方が最近増えています
家庭菜園のように大きな畑もいらないし最近はLEDで部屋の中で育てることもできるので手軽にできる実生

エケベリアは葉挿しで増やしていくことができるのは一般的にはよく知られていますが
もちろん種で増やしていくこともできる植物です

エケベリアは毎年2月頃から花芽と言われる長いアンテナのような茎のようなものが伸びてきます
長いものでは30㎝を超える場合もあります
この先端に花を咲かせ、その雌蕊に花粉を付けて人工的に受粉させてあげる
すると1か月後にはそこに種ができます
その種を撒いて発芽させることを実生「みしょう」と呼びます

まだまだ実生なんて・・と敬遠される方もいますが実は結構誰でも簡単にできるから
やってみると楽しい

実生をしているとあることに気が付きます
「顔違い」と呼ばれるものです

実生

種を撒いて発芽させること、またはそれによって育った苗の事
〇「みしょう」と呼ぶ
×「じっせい」と呼ばれるのは間違い

実生の顔違いとは?

この3つの苗ぱっと見ると全部別物
でもこれ、同じ両親から生まれた兄弟たちなんですよ
全然違いますよね?

葉挿ししている時はみんな同じ姿かたちになっていたのに種をまいたらこんなに違うものが出てきた!
では次にこれを見て下さい
これら3つの苗は同じ両親から生まれました

まずは母親 torimanensis「トリマネンシス」という品種です

母親となった多肉です
めしべの方ですね
バッキバキの白いダイヤモンドカットのような模様と白い粉をまとった細長い葉が特徴の原種です
バッキバキというのはあいまいな表現ですがよく出てくるので覚えておいて損はありません

次に父親となったhalbingeri「ハルビンゲリ」という品種

これが父親 要するに花粉を使ったほうです
halbingeri  ハルビンゲリ これもエケベリアの原種です
小型で群生しやすく夏にちょっと弱い

余談ですが この感じ あの有名な品種に似ていませんか?
根岸交配の沙羅姫牡丹(さらひめぼたん)の片親になった品種です
halbingeriは和名は 姫牡丹

さて この二つの親の写真を見てから3つ並んだ兄弟の写真を見て下さい
3つとも違うんだけれどどれも同じ両親の特徴を有していませんか?
これが「顔違い」

自分が作った多肉植物に命名する時には、この中から他にはない特徴的な個体を1つ選抜して命名するわけです
そして命名したものはその1つをクローン(葉挿し)で増やしていくのが基本です(そうではないものも条件が整えば実生でも良しとされるものもある)

実生の顔違い

実生して生まれた苗の姿かたちにおいて一定の特徴を保ちつつもそれぞれ少しづつ違いがあること

エケベリア交配の醍醐味

趣味としてエケベリアの交配を楽しんでいく醍醐味はこの「顔違い」があるからというのも一つあるのかなと思っています
例えばラウイとチワワエンシスを交配して実生した時には顔違いがたくさん生まれます

別の人がまた別の特徴を持つラウイとチワワエンシスを交配すればまた別の結果が得られるでしょう

なので同じ交配式なので別の名前が付いているものもたくさんあります
ここに趣味として交配を楽しんでいく無限の楽しみがあるのではないかと思っています

すでに命名されているものと見た目がほとんど同じなのに新たに命名してしまうと多肉界隈では混乱を招く恐れはありますが法律ではないので命名して主張するのは自由です

しかし個人的にはできる限りネット等で調べて命名は慎重に行っていきたいと思っています

さて明日も営業日ではないですか
今まで海外送金はwizeを使っていたのですが、急遽明日までにcurfexを調べて登録して使わないといけない事態に・・
では明日も茨城県土浦市の多肉屋さん むらさき園で元気にお待ちしています!

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