交配・実生「種まき」 多肉植物の考察

むらさき園の多肉植物育成環境の経過

2020年秋、エケベリア最初の実生

僕が茨城県で2020年春先にエケベリアを趣味でを始めて、エケべリアの種まきを最初に始めたのは2020年秋、よく考えたら4シーズン、秋まきも含めたら9シーズンの種まきを経験してきた。いきなり衝撃的な事実を公表するけど、一番よく育ったのは一番最初の年の実生。自宅前の趣味のハウスから今の広い畑にハウスを移してから約3年が経過するけど、今が一番苦戦している。

ところが今日はたまたま むらさき園のほうに経験豊富なエケベリア育成のスペシャリストに遊びに来ていただき、色々とアドバイスを頂く機会があった。

実生のハウスを見てもらうと間髪入れずに日が足りない。と・・・

日差しに悩まされた過去

話は少し前にさかのぼるが、このハウスに移転してからというもの多肉植物の焼けに悩まされ、水はいくらあげても乾いてしまうから育たない。というような事に悩まされていた。ここは一日中太陽の光を浴びる場所。この場所での遮光率を決めるのにも一回の交換で失敗すればまた費用がかかる。それが4棟になったもんだからそれもバカにならない。ただ、エケベリアの経過を観察するには1年は必要になる。結局今の遮光率になるまで3年かかった。日が長ければその分遮光率は高くしないといけないというところにたどり着いた。

遮光と病気

さてこの間に遮光を2重にしたことがあった。しかしこれは失敗。なぜならこれによって夏場に病気でダメになる苗が多発。
確かに焼けることはなくなったし、青々と育つ。ただ、おそらく紫外線を過剰に遮断したことで病気の菌が多く発生したのだろう。
連棟でハウスサイドの虫よけ網も1㎜以下の細かいものだから風の通りも悪い。工場扇風機もたくさん使ったけど全然効果を感じなかった。
やはりそもそもの環境というのは非常に大事だと感じ、防虫網は動物よけの網に交換し虫が入ることはあきらめた。

遮光も今年は1枚の棟と2枚の棟とに実験的に分けた。結果やはり遮光2枚のところは病気が多かったように感じる。殺菌剤の散布でなんとか病気の拡散は止めることができた。来年は1枚にしようと思う。1年で見極めたいがあまりに、一つ一つ効果を確認している暇がなかった
というのも夏の気温が上昇していると感じ、そもそもハウス内の温度が熱すぎることに対しても懸念があったからだ。温度計を設置したところで少し上下すれば変わるし場所によっても変わってしまうから設置しても意味がない。そして温度が暑かったところで暑いのは人間の身で良く分かっているから結局温度計など見なくても良い環境を作ることにし、どこのハウスのどの場所でどんなものを育てるという風に割り切るしかなかった。

年々の気温の上昇

さて、遮光は来年からは1枚にすることにしたのだが、1枚でいい理由というのは今年色々な対策と同時に行ったことがある。
それはハウスの天井を巻き上げ式に改造したこと。これでハウス上部にたまった熱い空気は抜けた上に風通しが抜群に良くなった。
1年に1項目の変更にとどめて効果測定したいところだけど、趣味の時とは違うからそんなことやっていたら何年あっても足りない。
毎月出ていくものは出ていく・・・。

結果、ハウス上部を開けられるようにしたことで、台風時の対策が必要にはなったが気温と風通しの確保に成功した。
そしてその分来年の遮光は1枚でいいことにし、今度は1枚にした分、水を吸わせる時間を長くできるように底面給水施設を・・・
という感じでどんどん良くなってきていることは感じている。

実生の西日いらないかも

さて話を最初に戻すとやっぱり遮光強いよな、とは思っている。
ただ一日中日に当てたら焼ける。ただハウスの中でもそこだけはちょうど丘の下からいい風が入ってくるという場所がある。実生を置く場所はここしか考えられないからここにしているけど、遮光を取るのが怖い。本当に嫌になるくらい西日が当たる。先日の晴れの日に今まで普通にハウスに置いてあった葉挿しが焦げた。10月後半になって・・・これが怖い。これが実生だったらと思うと遮光がとれない。
ひとまず実生の場所限定で西日だけ遮光してみるか。
と今こういった現状になっている。

多肉植物を生産するなら1棟で

結局これ大変なのは4棟とも環境が全然違うから。
それがメリットになることも多少あるけど、たくさん生産するなら広い場所で1棟にするほうがいい。
次はそれが目標かな。

今回実生の遮光について考えさせてくれた出会い、お付き合いに感謝。
さっそく今日からまた新しい実験ができることにワクワクしています。

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